覚悟してください 5
2018/07/13 Fri 22:29
epilogue
*
「シムさんは彼女いるんですか?」
後ろから聞こえてくる声に、ユノのハサミを持つ手がぴく、と反応する。誰も気付かないような一瞬。
自分の客に意識を集中しようとして、だけど後ろから声を潜めた黄色い声が耳に入ってきて、
「えーっ、絶対いるじゃないですか、それ!」
「…いや……」
「耳赤くなってますよ!」
騒ぐ女性客に、チャンミンが口ごもる。
いつも飄々と「いい感じの人はいますけど」とユノと相談して決めたようなセリフを言えばいいだけなのに。
どうしたんだ?と、同僚のスタッフたちも不思議そうにチラチラとチャンミンと客のやりとりを盗み見ている。
二人同時に、彼女がいる、と周りに言うのは変な勘繰りを受けても面倒だから、チャンミンの強い要望で彼女ができたと公表するのはユノの方にして、チャンミンは好きな人がいるという風に、周囲に言うことにしていた。
一日に一度は必ず恋人の有無を聞かれるような職業だから、そう答えるようになってから半年近くたっていて、いまさら照れるようなことは何もないのに。
(……なにやってんだよ、あいつ…)
完全に、昨日と一昨日の、アレのせいだろう。
童貞だったわけじゃあるまいし、アレで何が変わったわけでもないのに。
無心でカットしているユノに、雑誌に視線を落としていたユノの常連客が、ふと鏡越しにユノを見て声をかける。
「ユノさん、風邪ですか?顔赤いですよ」
「……………いえ、」
取り繕うようにユノは軽く咳払いをして、明確な答えを誤魔化した。

ついに俺、あのユノさんと…………(ぼー)
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最後にチャンミン視点の後日談書こうとしたら長くなったので、分割します!
すみません、次で終わり予定です!
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試練…!
別れちゃうミンホの新しいお話書いてたので、それが試練になりますか?!??!!(唐突に)
勘のいい常連、スタッフ辺りには怪しまれてますね〜。
そして細かい二日連続の部分、気づかれましたか…!!
最終話でそこらへんをチラッと書いてるのでよかったらお納めください!!!笑