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「……お取込み中かしら」

 バスタオルを巻いた女性がちらりとドア越しにひょいっとのぞき込むようにこちらを見てニッコリ笑う。
 長い付き合いの遊び仲間の一人でライブにも来たことがある彼女はチャンミンとも何度か言葉を交わしてことがある。
 チャンミンはなんてことない顔をしていたが、もう十年近く家族のようにすごしていたユノには対外用の仮面をかぶった様子がありありと手に取ってわかった。


「お邪魔してすみません。ユノヒョンを借りたいんですが」
「そうなの。わかったわ、私は帰った方がよさそうね。」
「すみません。タクシーは手配させてください。」
「ありがとう」


 ユノが口を挟む間もなく、チャンミンと彼女の間で話がまとまっていて。
 いくらなんでも突然来て割り込みのようなチャンミンよりも、先約の彼女を優先すべきなのではないか。公平に考えたときチャンミンを追い返すことも頭をよぎるが、彼女の目があってもユノの腕を離さなかったチャンミンが素直に帰るとは思えない。それに長年染み込んだマンネの面倒は兄が見なければ、という固定概念がチャンミンを放っておく気にもなれず、天秤はチャンミンの方にあっさり傾いてしまった。
 ユノは、話聞くからちょっと待ってろ、とチャンミンの指を引きはがすようにして腕を取り返すと、着替えに寝室へと入っていく彼女の後を追う。


「急に悪い」
「いいのよ、また近々どうせ集まるでしょう」
「そうだな、仕事あるから俺は夜中から行く予定だけど」
「あ~そうなの。私、次の日早いから夜中まではいないかな。」
「じゃあまた今度だな。…あ、髪まだ濡れる、ちゃんと乾かせよ」
「いいのいいの、来週切るから。って思って最近さぼっちゃうの。よくないよねえ」


 タクシー会社に連絡をしながら、チャンミンは沸き立つ苛々を抑える。
 声が聞こえないところに移動すればいいのに、あえて盗み聞きするように声が聞こえるギリギリの位置にいる。

 今まで悪い印象の女性ではなかった。男が付き合いやすいさっぱりとした性格の美人だ。癖のないすっきりとした顔は涼し気で、その気取らない笑顔は学年で一番かわいいとか言われてそうな、先輩にいたら大体の男は憧れてしまうようなタイプだ。つまり悪い印象どころか、好印象を持っていた。彼女がユノの仲間の一人じゃなければ、あわよくば…なんて思ってしまうような。それなのに、タクシー会社には「急ぎでお願いします」としつこいくらいに念押しして、一秒でもはやくここから追い出そうとしている自分は一体どうしてしまったのだろうか。


 支度は終わっただろうに、会話が弾んでいるような二人にチャンミンはタクシー会社の電話がかかってきた途端その電話を取るより先に寝室へ乗り込んで「下でもう待ってるみたいです!」とまるで大分待たせているかのように装って知らせた。
 タクシーまで送ろうとするユノにぎょっとして、でも「いいからほんとに」とそれを押しとどめ断る女性を、やっぱりそんな悪い人じゃないのかも…なんて改めて思うものの、それでも以前のような目では見れなくなっていた。



 彼女が玄関から出ていった瞬間、チャンミンはすぐさまユノを寝室に引き摺りこんで、そのままベットに押し倒した。
 怒るべきか、優しく話を聞こうか、ユノが迷った隙をチャンミンが見逃すわけがない。今まで何度、その気のないユノを押し倒してセックスの相手をしてもらったのか、その経験からユノに「しょうがないな、まったく」と思わせるための手法は熟知していた。


 ひとまずキスで文句を封じる。
ユノが文句を言う気配がなくなったら、それからはマンネ感全開で攻める。
甘える、またはわがままを言う、など。


 そもそもグループのマンネというポジションを与えられた時点で、チャンミンはユノに甘える一番の権利を与えられているのだ。そう、ユノはチャンミンのヒョンだ。今では、チャンミンだけの、ウリヒョン。


 そうすると、昔からの習慣のまま、ユノはチャンミンの上に跨いでくれた。
仰向けに寝転がって、下から見上げるユノの姿に、どこかでホッとする。死ぬほど気持ちがいい。
ぴったりとチャンミンを包みこんで、ここに入るとチャンミンはすぐに上り詰めてしまう。
ユノの勃起が弱いのが、さっきまでこのベットで使っていたことを感じさせて、それだけがむかついたが、だからこそいつもより何度もしつこくユノに食らいついた。



 最終的には、もうやめろ、とチャンミンを押しのけようとしたユノの瞳は潤んでいて、半泣きに状態だった。
 それが可愛すぎて、もっとしたくなったけど、ユノが滅多にしないお掃除フェラをしてくれたので、それを最後にチャンミンはやっとユノと対話する時間を持とうと思えた。






20180424001412.jpg
ユノが女も抱けるなんて……騙された。ショックです。
この心の傷を癒してからでないと、なんで突然来たのかなんて話せません…





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大人は誰も教えてくれない | コメント(8)
コメント
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ぎゃおムカ
のめりこんで読んでます!
そしてすいません写真の下のチャンミンの言いぐさが
ぎゃおムカです。なんだその口のききかたは、ひねられたいかです。
本気で腹立つくらいのめりこんでます!
うううー面白いい。
リアルの二人でこういうの、
書いてみたいです!
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な***様
何度でもうれしいです!ありがとうございます(*゚▽゚*)

コメントをいただく方々が早起きだなぁと常々思って、5時に予約投稿にしてみました。鈴木は夢の中でしたが、お楽しみ頂けたようでよかったです!笑

そして辞退、残念です……。ユノの長い女友達はこんな感じかなぁと。距離感を間違えるような子は自然とユノの周囲の友人たちによって沙汰されてそうです。やたら周囲のチェックが厳しそう(笑)
チャンミンのタクシー部分、みっともないと思われないギリギリの精一杯で踏みとどまってましたね。ユノはあまり意に介さずスマートに、ある意味のんびりしてるのが今回のお話のユノさんですね(*∵)

まさかのウィキペディアの登場…!悪いことをどんどんお伝えしてるようで恐縮です……!もっと頑張ります!←
な***様
私もつい検索してみました。ウィキペディア。
その、理路整然とした文面で解説されてるのを見ると…いやそうなんですけど…そうなんだけど…と私も戸惑うインパクトでした/(^o^)\

ヒョン、面倒見よすぎですよね!
あっ!朝の爽やかな時間帯に私としたことが…!お子さんにこっそり心の中でごめんなさいさせていただきますね(;´д`)
せっかくの出会いです。新しい言葉でどんどん盛り上がって参りましょう!!笑

五万人を抱く男のユノユノに一番甘やかされてるチャンミンですからね〜ちょっとやそっとの包容力では満足できなくなってるかと。ユノ基準で世の中みたら生きづらそうです。(・∀・)ニヤニヤ
Re: ぎゃおムカ
読みたいです。(正座待機)
BSBワールドで描かれるリアルミンホ、アップをいまかいまかとお待ちしておりますね!!!!!(*⁰▿⁰*)←ストーカーする準備OKの顔

keikoさんに腹立つと思わせられるチャンミンが書けて光栄です!笑
のめりこんで読んで頂けてると思うと……!もっとチャンミンを解き放ちますね…!!!(余計)
こんな口をきいても、礼儀に厳しそうなのにまぁ他の人にこういう態度じゃなきゃいいかと自分への態度には甘いユノに許されて今日も元気にマンネマンネしてるチャンミンさんでした。(´ω`)
あ***様
連載、楽しんでいただけてるようでうれしいです!
当初の目的である、スマホでの練習予定がすっかりキーボード執筆に戻っておりますが…(´ω`)

わわ、そう言っていただけるとうれしいです!
私もイベント初参加で勝手がわからないので、多分一人でさまよったり迷子になったりして時間通りには動けないと思うので、今回は勉強のつもりで学んできますので、次回チャンスがあればぜひご挨拶させて下さい╰(*´︶`*)╯

最後のサジン&一言は、書き終わってアップ前にさーっと写真を探してそれにあわせて書いてるのですが、合ってるとあってもらえて安心です。記事一覧のサムネイルでアイコン味気ないので始めたのですが、それも楽しんでもらえてるならよかったです!

もぐるなんて寂しいこといわずに!また何か一言でも声かけてくれればと思います(^^)これからもよろしくお願いします。

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