ヒョンの言い分 1

2018/05/22 Tue 00:50


結局何かこうか思いつかないので、書きながら考えることにしました。
かるい短編かな……?





*



 言い訳は、たくさんある。

 自分がゲイだと気づいたのは、活動休止のころ。
いろいろ自分を振り返って死ぬほど考える時間があった時期に、人生とかこれからの仕事のこととか、好きなこと嫌いなこと、全部ひっくるめて考えて気付いた。あれ、俺、男が好きじゃないのって。
 昔から女よりも男といることが楽で、それをただ男同士の気安い感じが好きだからと思っていたけど、思えばいつも何だか一緒にいて落ち着くヒョンがいて、そのヒョンと遊びたいからみんなで遊んでたような傾向はある。男二人でも遊べるけど、なんか緊張するから、ときどきがちょうどよくて……。
 一般的には思春期の頃に異性の話題になって、自分が人と違うことに気付くものらしい。それからすると俺は大分自覚するまでに時間がかかった。普通に女の子とも付き合ったりしてたし。
 じゃあバイってやつなんだろうか、と思ったりもしたけど、男が恋愛対象になると気づいてから、俺はすっかり女性をそういう目では見れなくなっていた。


 そうなって、いろいろ芋ずる式にたどっていった結果。
あれ、俺これ、チャンミンのこと好き……だな…?となったわけだ。


 だからといって、これから東方神起を再建する大事な時期を、恋愛モードになれる精神状態でもなくて、それでもふとしたときに、俺を頼るようなチャンミンの姿に、たまらなくあー好きだ、っていとおしさが溢れてきて、こんなよこしまな目で見て罪悪感はあったけど、でも好きなだけならいいだろって自分の中で気持ちを整理していた。
 このままでいい。唯一無二の、東方神起っていう誰にもない俺たちの絆で繋がっていれば。


 そんな風にちゃんと、考えていたんだ、俺は。


 言い訳その一としては、片思いの魔力のせいだ。
 片思いって急に夜に色々考えてナーバスになったり、自己嫌悪したり、やけになる日もあるだろう?ない奴なんていない筈だ。急に告白して、いっそ振ってくれ!とか変なテンションになって、電話してみようとか、メールしたら返事くるかな?声聞いておやすみっていうだけでも…いやいや、そんなん気持ち悪いだろ……みたいな、あれ。
 ふとしたときにやってくる、あの謎のテンションは、繰り返すたびに何かを消耗している気がする。
勝手に好きになっておいて、何を言ってんだ、ってチャンミン辺りに打ち明ければぶち切れられそうだが、つまりは片思いに疲れる時期というのがある。だから、ちょっと俺は疲れていたんだと思う。


 言い訳その二。同性愛者同士、っていうのは仲間がわかるっていうやつ、あるだろ?
 芸能界の中でも、ゲイはマイノリティだが、それでもいないわけではない。一般的にカミングアウトして、ゲイのおねえタレントとして活躍している知り合いのヒョンもいる。そういう人は、なんとなく俺のこともわかっていて、だけど聞き出す強引さではなく、やさしく気遣ってくれる。セクシャルマイノリティは自殺者が多い。そういう仲間を見てきて、彼らはほっとするような人間的なやさしさみたいな独特の空気があって、局などで一緒になって機会があるときには飲みに行って、なんとなくぽつりぽつりと詮無いことを話したりしていた。


 そんなとき、ヒョンに言われた。「ユノ、アンタ大丈夫なの、あれは。目からサランが溢れちゃってるわよぉ」と、珍しく具体的な指摘にギクッとした。とぼける俺に、ヒョンは言いたくないならいいけど、ってあっさり引きながら、ユノの胸に印象深く残る一言を言う。「ノンケなんてね、体から落としちゃえばいいのよ。セックスできるのは女とだけじゃないってこと、先に教えてからじゃないと話にならないわよあいつら。」


 ときどきそんな言葉を思い出して、ぐるぐる考えてしまう自分に危険を感じて事務所に手を回した。それとなく、チャンミンとの宿舎をわけるように勧めるように。
 もともと一人暮らしをしたがっていたチャンミンは、前に俺がチャンミンが出ていって宿舎を一人で暮らせる日を待ってるとバラエティで冗談で言った事を根に持っていて、自分から出ていくのは屈したようで意地をはっていた。それを狙って、あの時はあえてあんなことを言ったんだが。
 状況が変わって、スジュの宿舎のフロア違いの高級マンションに空きがあること、後輩たちにそろそろ俺たち成功例として、憧れるような暮らしをしめしてやる必要がある、とか。まぁ、事務所の為なら仕方ないですね。僕はべつにどっちでもよかったんですが、という体で出ていけるような手配した。

 そんな風にチャンミンを逃がしてやったことを、寂しく思う夜はかなりあった。実際、泣けた日もある。絶対に誰にも言えない秘密だ。


 そんな努力をしている俺に対して、チャンミンが後ろ脚で砂をかけるような発言をしたのが、言い訳その三になる。

「僕、ヒョンがゲイなんじゃないかって三年くらい思ってたんです」

 笑いながら言うチャンミンに、こっちは全然笑えねーよ。思慮深い奴だけど、ときどきポロッと素直な幼い少年みたいな無邪気さがひょっこり顔出す。日本のダンサー曰く、チャンミンさんは超B型っすよね…A型っぽいのに…らしい。日本人の血液型に対する信頼性は驚くばかりだが、話を聞いているうちに確かにかなり納得してしまった。
 無邪気なんじゃなくて、いっそ無神経だ。手を叩いて大笑いしてオーバーなリアクションを取ったが、それは引きつった頬を誤魔化すためだ。その発言は数日間俺の頭が離れずに、ふとした時に浮かんで思考を占領した。
 三年前っていつからだよ、俺が自分より気付く前?何に対してそう思ったんだ?俺の気持ちもわかってるのか?
聞きたいことは山ほどあるけど、聞けるわけない。考えれば考えるほど苛々した。



 そんな苛々しているときに、俺が年に数回とことん飲む、と決めた飲み会があったのが、言い訳その四。
韓国ライブでの打ち上げの席で、まだ途中だったがいったん関係者を集めた中締めのような飲み会があった。大人数での飲み会で、次の日はオフということもあってしこたま飲むシチュエーションは用意されていた。
 つまり俺は、かなりたくさん、飲んだ。そしてそんな場で、あの酒豪が飲まないわけがない。俺たち二人は浴びるように酒を飲んでいた。





 これが最後の言い訳だ。マネヒョン、なんでそんな状態の俺たちを、俺の宿舎で降ろした?
ぐでんぐでんの俺たちが相当面倒だったのだろう、車から降りて酔っ払い同士俺は大丈夫だけどお前大丈夫か、みたいな謎の牽制をしつつ、普段飲んでいるだけあってチャンミンの方が量は飲んでいたのか、俺の方がやや、まっすぐ歩けていたと思う。


 ……………まぁ、つまり。
これだけ説明すれば、わかるだろう?









20180522004907.jpg
お察しの通りです…



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村




ヒョンの言い分 | コメント(2)
コメント
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
な***様
先は見えないながらも、マネヒョンいい仕事した!の判断が素早くて笑ってしまいました…!(笑)
確かにこれで別々になったらそのままただの仲間だったんでしょうねこのヒョンの言い分ですと…(ほんとかな)

中学から夢を追って人なので、きっとゆっくり考えることもなかったかなあと。
目からサランが溢れまくって、それを幸せそうに甘受してデュフってるシム様がほんとに見てて私たちも幸せですよね…ミンホ尊い…

おねぇ様のアドバイスはじわじわきいてくるでしょうね。これからどうなるか見切り発車ですが、ぐわーっと書いてぐわわっと終わる予定です(つまり勢いのみ)!!

管理者のみに表示