Get it ? 4
2018/06/16 Sat 17:21
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週の半分はチャンミンが泊まるようになった。
朝ごはんは相変わらずユノが担当だったが、素面で泊まりに来る時はチャンミンが晩ご飯を用意してくれる生活。
最初は焦げていたり、煮えていないこともあったから普段から料理を作り慣れてて得意なわけではないんだろうと薄々わかったが、器用なチャンミンは同じ失敗は繰り返さずどんどん料理の腕をあげていった。
就職で上京してきたユノの一人暮らし歴は約四年。
インスタントや外食が多い食生活には誰かの手料理が死ぬほど恋しかった。
さらに自分では手抜きして作らない副菜が一品でもあるというのは、実家暮らしのときには当たり前に甘受していたことたけど、これほど嬉しいなんて。ユノは心底チャンミンに感謝している。
とはいえ、店舗ではスタッフ全体を見るようになったユノは特別ひいきにしている後輩がいていい立場ではなくなった。
ただでさえチャンミンは出世が速い。
結果を見える形できちんと残しているものの、チャンミンより先に入社したのに、まだアシスタントをしている者がいることも考えると、そこに発言力を高めているユノと仲良くしていてはいらぬやっかみを買うだろう。
家でどうせ話せるし。そう思うと、サロンでしか会えない他のスタッフとのコミュニケーションを優先するユノを、チャンミンはあからさまにふてくされた顔をして見てくることは気付いていたがユノはあえて知らん顔をしていた。その分、チャンミンは家に帰るとユノにべたべたに甘えてくる。男同士でどうなんだ、と思わないわけではないが、きっと性根が甘えん坊なんだろう。外では考えられないような甘えっぷりに、なんだかユノはないはずの母性本能とサロンで素っ気なくしている負い目で、受け入れてしまっていた。きちんとその甘えも、ユノの疲れ具合を見ながら度合を決めてくるのも、受け入れやすい要因なのかもしれない。
「痛くない?」
「ん…あーすげ…いいよ」
はあ、と感嘆の息を漏らしながら、ユノはうつ伏せになったまま瞳を閉じる。
背中にまがたったチャンミンがユノの背中をゆっくりと肩から下にむかって揉み押していく。固くなった肩甲骨辺りをほぐすように指圧されると、たまらなく気持ちよくて息が漏れる。
「スキンシップ?触るのはいいけど、触られるのは苦手ですね」なんて新人歓迎会のときに発言していた言葉は、どこまで本当なのだろうか。
ユノの疲れが溜まって食欲すら落ちてくると、チャンミンはマッサージの練習させて下さいなんて言ってユノを寝っ転がせてマッサージをしてくれる。料理と同じようにマッサージの腕前も、力加減もどんどんユノが好きなように変わってきて、ここの所は途中で寝てしまうので最初から寝る気満々で寝室でやってもらうことにした。
来客用の布団も、素面で泊まるようになってからはユノが準備しておいてやっていたのだが、毎日泊まるわけではなく一日、二日置きに来るので布団を干したり、片づけたりするのが面倒で結局一緒に寝ている。
チャンミンも布団よりベット派らしくあまり布団で寝たがらない。酔っていたときのテンションは平常時とは違う行動をするので男のベッドで寝ることが気にならないかもしれないが、素面のときもというのはあいつ潔癖っぽいのに嫌じゃないのかな、なんて思いつつ。でもまあ本人がいいならいいかとあまり深く考えないことにした。
意味のない行動というのあるだろうし、すべてに意味を見出すのは時間の無駄だ。
「ユノさん、明日俺はやく上がれるんですけど」
「ん……うん?」
「なんか食べたいのあったらリクエスト聞きますけど」
「まじ?じゃああれ…、あの……あ、ダメだ…」
「なにが?」
うつらうつらして意識が遠のきそうになりながらも、ユノは明日予定があったことを思い出す。今日チャンミンが来るから、明日は来ない日だと思って、何も言っていなかった。
「よてい、あるから…」
「遅くなるんすか?」
「いや、おれもあがりははやぃ……」
「なに?…ちょっと!まだ寝ないで!」
「んん…?」
「明日なにあんの?」
「いいかんじのこと……デートするから……だからあしたは…いえ、かえれよ…」
「…………………………………わかりました。」
うまくいくといいですね。
そんなチャンミンの応援の声を最後に、ユノの意識はぷつん、と途切れた。

うまくいくといいですね(´^J^`)
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いけいけユノ!!
チャンミンごめんね。
応援してるよ応援してるんだけど…その前に嫉妬をください。
鈴木さんの書く嫉妬は大好物なのでもう楽しみすぎます。
どうしよう…嫉妬の火種にすでに胸がギューとなってるんですけど…
苦しい…
まさかのユノいけいけ応援に大うけです!!!
そしてすみません、あまりにも期待されていらっしゃったので少しユノ…ではなくなつなつ様を翻弄する展開にしてみようかと…(おい)
一貫したチャンミンの嫉妬こいこいの姿勢、とても嬉しいです。私もワンパターン、お決まり展開(ハッピーエンド厨)奴なので飽きられないかと思いつつ、嫉妬の書き手として評価されて嬉しい限りです…!!!(笑)
これからも胸をぎゅっぎゅさせられるように頑張りますね!!!!